メンタル不調(うつ病)への対処法 シリーズ④【コラム#123】
【ヒューマン・タッチ レター vol.123】
前回は【メンタル不調(うつ病)への対処法 シリーズ3】として、「従業員を取り巻く環境」「メンタルヘルス対策の意義」について、お話しさせていただきました。今回は、【シリーズ4】として「安全配慮義務」について、話題にさせていただきます。

■安全配慮義務とは
メンタルヘルス対策を担う人事労務担当者、また、管理職の皆さんにとっては、「安全配慮義務」の考え方を理解することは、とても大切なことです。
定義としては『職場環境の整備、作業の進行方法の指示等の場面において、企業が従業員の生命、健康が損なわれないよう配慮するべき義務』となります。労働契約法に明記された考え方で、労働者の健康にも配慮すべきとの考え方から「健康配慮義務」と呼ばれることもあります。
定義としては『職場環境の整備、作業の進行方法の指示等の場面において、企業が従業員の生命、健康が損なわれないよう配慮するべき義務』となります。労働契約法に明記された考え方で、労働者の健康にも配慮すべきとの考え方から「健康配慮義務」と呼ばれることもあります。
■「予見可能性」と「結果回避義務」
労災とは別に、民事での損害賠償請求の際には、この安全配慮義務に対する違反があったかどうかが争われることになります。この際にポイントになるのが「過失」の有無です。
「過失」とは「予見可能性を前提とした結果回避義務違反」であり、言い換えれば、「うつ病などの状態に置かれた従業員がいた場合、自死等の最悪の結果の発生を予見することができたかどうか。
できた場合には、その結果の回避のために必要な相応の行動をとらなければならない」となります。予見可能性が大きい場合には、より高度な結果回避義務を負い、逆に予見可能性が小さい場合には、相対的に結果回避義務が低いものになるというのが基本と考えられています。
「過失」とは「予見可能性を前提とした結果回避義務違反」であり、言い換えれば、「うつ病などの状態に置かれた従業員がいた場合、自死等の最悪の結果の発生を予見することができたかどうか。
できた場合には、その結果の回避のために必要な相応の行動をとらなければならない」となります。予見可能性が大きい場合には、より高度な結果回避義務を負い、逆に予見可能性が小さい場合には、相対的に結果回避義務が低いものになるというのが基本と考えられています。
■いつもとの違いに気づく
職場であっても、誰が見ても「いつもと様子が違うぞ。以前受けたラインケア研修の内容からも
うつ病をはじめとした、病気の状態ではないか」といった状況であれば、結果回避のために職場で行わなければならない対応、「話を聴いて、必要なところにつなぐ、病気かどうか判断する」などの責任はより大きくなる、ということです。何に気づくのか、気づけばどのような対応をすべきなのか、など、具体的な職場での安全配慮義務の履行の内容については、次回お話しさせていただきます。
うつ病をはじめとした、病気の状態ではないか」といった状況であれば、結果回避のために職場で行わなければならない対応、「話を聴いて、必要なところにつなぐ、病気かどうか判断する」などの責任はより大きくなる、ということです。何に気づくのか、気づけばどのような対応をすべきなのか、など、具体的な職場での安全配慮義務の履行の内容については、次回お話しさせていただきます。
■管理職の義務
労務管理に対して大半の権限が委譲されている管理者は、同時に雇用主として負うべき労務管理上の義務も委譲されるとの理解になります。
すなわち、「安全配慮義務」は管理職個人が背負い、対応すべき義務となっていると理解できるのです。
すなわち、「安全配慮義務」は管理職個人が背負い、対応すべき義務となっていると理解できるのです。
投稿日:2025.01.27
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