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不安をやわらげる習慣や考え方【コラム#129】

不安をやわらげる習慣や考え方【コラム#129】

【ヒューマン・タッチ レター vol.129】

みなさんこんにちは。ヒューマン・タッチの森川隆司です。

今回は、巷でよく聞く質問「不安をやわらげる習慣や考え方を教えてほしい」にお答えする形でコラムを作成してみました。

※皆さんも気になる話題などあれば、いつでもウェルカムです!お送りください。

■不安とは

 まずもって、「不安」とはどのようなものでしょうか?「なんだがそわそわする感覚」「いてもたってもいられない感覚」「うまくいかなかった時のことを思い返す感覚」など、言葉にしてみると人それぞれだと思います。「不安」は一般的に「感情」に分類されます。「感情」とは、自身の状態や気持ちを単純にあらわすことのできる表現、ともいえるでしょうか。「感情」のほかには、「うれしい」「楽しい」「苦しい」「怖い」「不安」「情けない」など。いわゆるプラスの感情もあればマイナスの感情もありますね。この「感情」以外にも、心理学的には「認知(思考)」「身体」「行動」で大きく人の行動を分解することが可能です。

 以前も話題にしたことがあると思いますが、「感情」は何もない所からむくむくと突然湧き上がるわけではありません。「認知(思考)」がそれを生み出していると捉えることができます。「失敗したらどうしよう」という「認知(思考)」は「不安」という「感情」を生むのですね。

■不安をやわらげるには?

 では、マイナスの感情の代表格である「不安」をやわらげる、下げる、なくす、にはどうしたらよいのでしょうか。前提として理解したいのは、「感情は無くならない」ものということです。どうして「不安」がでるのでしょうか。私たちが生きていく中で、問題や課題を先読みして、最悪の結果を想定することでそれを回避し、生き延びようとするために「不安」が出てくると考えてみてください。だとすると、安全装置というか危機回避能力というか、人には無くてはならない機能ですね。「不安」という感情、またそれを作り出す「認知(思考)」は、無くならないし、なくそうとする必要もない、ということです。

 しかし、人は「不安」をなくしたく思います。一つには、「不安」を抱えることが単純に気持ち悪いからです。もう一つは、「不安」に囚われたことから生じる「身体」(例えば、発汗や動悸など)「行動」(例えば、不眠や確認行動など)が自分にとって不快で不利益を生んだり、多大なコストを生むからだと考えられます。

■不安はなくならない!?

 「不安」は無くならないし、無くそうとする必要はない、けれど、やはり、上記の理由で和らげたいのですよね。ポイントは、「出てきた不安とお話ししない」ということです。レベル10で出てきた不安、一生懸命お話ししてしまうと(「あぁ、出てきた」「あぁ、気持ち悪い」「あぁ、どうすればなくなるか」など)、レベル10が20に、20が40に、倍増していってしまいます。

 そんな時には、「また出てきましたね。こんにちは。ただ、私は忙しいのであなたとはお話ししませんよ」というスタンスをとってみてください。この時、完全に不安は無くなりません。だからなんとなく、気持ち悪いです。でもその気持ち悪さにも目を向けず、その時に、私たちが「心地よい」と思うことに「目の前にあってすべき事」に注意集中を向けてみるのです。

■不安の対処法は「今」への集中

 一つ実験してみましょう。これから1分ほど、目をつぶって「耳」に意識を集中してみてください。全集中です。今、あなたがいる場所で、できれば一つ二つ、可能であれば三つ以上の音を聞き分けてみてください。「空調の音」「外を走る車の音」「時計の秒針の音」など、聞こえるのではないでしょうか。ここで大切なのは、どれだけたくさんの種類の音を聞けたか、ではなく、一生懸命何が聞こえるか集中していた際には、「このあと○○の仕事(宿題)があるなぁ」「今日は午後から病院に行かないとなぁ」といった思いが頭にあったかということです。

 何が聞こえるか、に注意集中を向けていれば、結果としてですが、頭を悩ます「認知(思考)」や「感情」を横に置いておくことができたと感じる方もあるのではないでしょうか。「不安」はなくすものではなく、「結果として気にしないでいられた」状態を作るということで、「和らげる」ことは出来るのだと思います。

 そのためには、繰り返しになりますが「不安」とお話しするのではなく、その瞬間を感じる、どうせ感じるのであれば心地よいことを感じる、という方法をとってみるのです。ご飯を食べているのであれば、そのおいしさを、お風呂に入っているのであれば、お湯や湯気の心地よさを、感じて、味わってみるということでしょうか。特に5感に意識して実践することで、日常生活でもいろいろと出来ることがあると思います。

 「不安」と戦わずに、浮いた力で「心地よい事」に力を向ける、皆さんも実験してみてください。

投稿日:2025.09.11
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