【コラム#51】新入社員の不調者対応について
みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。
新型コロナの感染者数が東京都で再度増えてきていますね。ワクチン開発が急務とされており、なかなか先が見えない現状です。今回は、コロナ禍特有の以下の質問に答えていきたいと思います。
新入社員対応について
「今年の新入社員は、一度も出社せず、リモートでセミナーを受けています。会社に行くことも出来ず、画面だけでの業務に不安を覚えて体調を崩した。毎日が不安で朝も起きられない」という新人が出ました。どのように対応すればよいでしょうか。
■不調者への対応
「毎日不安で朝も起きられない」とのことですね。他に、こころとからだの変化は起こっていないでしょうか。病気の状態であれば、勤務を継続させることはできません。まずは、どのような状況なのか、しっかり把握したいところです。
社内に産業医や保健師、カウンセラーなどの専門職がいるようであれば、Webもしくは電話などを使って、1時間程度しっかりと状況把握のための面談の機会を持つべきと考えます。
勤務が継続できる状況かどうか、あるいは、医師につなげる必要があるのかどうか、専門職の目から情報を上げてもらいたいところです。
■不調者への対応
「毎日不安で朝も起きられない」とのことですね。他に、こころとからだの変化は起こっていないでしょうか。病気の状態であれば、勤務を継続させることはできません。まずは、どのような状況なのか、しっかり把握したいところです。
社内に産業医や保健師、カウンセラーなどの専門職がいるようであれば、Webもしくは電話などを使って、1時間程度しっかりと状況把握のための面談の機会を持つべきと考えます。
勤務が継続できる状況かどうか、あるいは、医師につなげる必要があるのかどうか、専門職の目から情報を上げてもらいたいところです。
状況把握のポイント
社内に上記の専門職がいない場合、もしくは、人事労務担当者が状況把握をする場合には、以下の点について、話を聴くようにしてください。
【睡眠について】
「眠りにつきにくかったり、朝方目が覚めることがありませんか?」
「眠りの問題により翌日、日中眠気を強く感じますか?」
「眠りの問題が、週に3日以上継続していますか?」
【食欲について】
「食欲が落ちたり、食べ過ぎたりしていませんか?」
「最近1カ月で、体重に±3Kg以上の変化がありますか?」
【だるさ、疲れやすさ、楽しみについて】
「いつも疲れやすく、だるさを感じませんか?」
「自分の趣味やTVなど面白いと感じますか?」
【気分について】
「理由なく憂鬱で、気分が沈みがちではないですか?」
「イライラしたり怒りっぽくなっていませんか?」
上記項目の中で、複数あてはまり2週間以上継続しているような場合は、医師の判断を仰ぎたいところです。
【睡眠について】
「眠りにつきにくかったり、朝方目が覚めることがありませんか?」
「眠りの問題により翌日、日中眠気を強く感じますか?」
「眠りの問題が、週に3日以上継続していますか?」
【食欲について】
「食欲が落ちたり、食べ過ぎたりしていませんか?」
「最近1カ月で、体重に±3Kg以上の変化がありますか?」
【だるさ、疲れやすさ、楽しみについて】
「いつも疲れやすく、だるさを感じませんか?」
「自分の趣味やTVなど面白いと感じますか?」
【気分について】
「理由なく憂鬱で、気分が沈みがちではないですか?」
「イライラしたり怒りっぽくなっていませんか?」
上記項目の中で、複数あてはまり2週間以上継続しているような場合は、医師の判断を仰ぎたいところです。
社内面談の進め方
この面談の際に大切なのは、
「今の状況を楽にしてあげよう」「アドバイスしてあげよう」「誰でも通る経験だから勇気づけてあげよう」というスタンスではなく、「勤務を継続させられる状況かどうか、その情報を得る」ことです。
私は公認心理師で臨床心理士であるカウンセラーですが、人事労務の皆さん含めて「病気かどうか」を判断することはできません。ただ、「病気の可能性があり、その判断をしてもらう必要があるかどうか」についてはしっかりと判断すべきと考えます。いわゆる「安全配慮義務」ですね。
予見性が高い場合には、その結果、回避義務を取らなければなりません。適切な面談を行い、その内容によっては、必要な措置を取らなければなりません。
社内の面談にて情報を得て、つなぎ先の医師(産業医含めて)の診察の中で、「療養が必要」との事であれば、会社の規則に従い、病気欠勤や休職の措置をとることになります。
「今の状況を楽にしてあげよう」「アドバイスしてあげよう」「誰でも通る経験だから勇気づけてあげよう」というスタンスではなく、「勤務を継続させられる状況かどうか、その情報を得る」ことです。
私は公認心理師で臨床心理士であるカウンセラーですが、人事労務の皆さん含めて「病気かどうか」を判断することはできません。ただ、「病気の可能性があり、その判断をしてもらう必要があるかどうか」についてはしっかりと判断すべきと考えます。いわゆる「安全配慮義務」ですね。
予見性が高い場合には、その結果、回避義務を取らなければなりません。適切な面談を行い、その内容によっては、必要な措置を取らなければなりません。
社内の面談にて情報を得て、つなぎ先の医師(産業医含めて)の診察の中で、「療養が必要」との事であれば、会社の規則に従い、病気欠勤や休職の措置をとることになります。
療養の目的と復職までの社内ルール
その際には、新人ならではの不安や焦りにも耳を傾けてあげてください。
「入社早々会社を休むことになる自分は、ダメな社員だ」「同期入社の人間とさっそく差がついてしまった」「家族の期待に応じられなかった」など、自分を責める方もあると思います。
メンタル不調にて休職される方には、多かれ少なかれこのような気持ちが出てきますが、入社早々の新人さんであればなおさらではないでしょうか。
療養に入る際には、本人が有している病気欠勤や休職の期間、また療養中の連絡先、なにより療養の目的(療養しながらセミナーなど受け無いように。しっかりと療養に励むように)、復職までの会社のルール、復職後のフォロー体制、など文書で渡してあげたいところです。
「入社早々会社を休むことになる自分は、ダメな社員だ」「同期入社の人間とさっそく差がついてしまった」「家族の期待に応じられなかった」など、自分を責める方もあると思います。
メンタル不調にて休職される方には、多かれ少なかれこのような気持ちが出てきますが、入社早々の新人さんであればなおさらではないでしょうか。
療養に入る際には、本人が有している病気欠勤や休職の期間、また療養中の連絡先、なにより療養の目的(療養しながらセミナーなど受け無いように。しっかりと療養に励むように)、復職までの会社のルール、復職後のフォロー体制、など文書で渡してあげたいところです。
環境の変化
通常は、「療養に入る」=「会社を休み、仕事や会社から離れる」ことになります。「療養」とは精神的な負担から離れることが最も大きな要素ですから、これで良いのですが、在宅勤務中であればその区分けが難しいかもしれません。
このような場合には、実家に帰って療養させるなど、物理的に環境を変化させるのも一つの手だと思います。ただ、本人が家族への連絡や実家での療養を頑なに拒む場合もあります。心配させたくない、家族間の仲が悪い、自宅に自分の部屋がない、など個別的な理由をお持ちの方もあるでしょう。1人での療養に比べれば、やはりサポートしてくれる方がいる場での療養の方が効果があると思います。
本人への説得については、人事労務担当者だけでなく、可能であれば主治医からも一言お話いただくことも効果がある場合もあります。
このような場合には、実家に帰って療養させるなど、物理的に環境を変化させるのも一つの手だと思います。ただ、本人が家族への連絡や実家での療養を頑なに拒む場合もあります。心配させたくない、家族間の仲が悪い、自宅に自分の部屋がない、など個別的な理由をお持ちの方もあるでしょう。1人での療養に比べれば、やはりサポートしてくれる方がいる場での療養の方が効果があると思います。
本人への説得については、人事労務担当者だけでなく、可能であれば主治医からも一言お話いただくことも効果がある場合もあります。
他の新入社員への対応
入社から1度も出社できず、勤務継続するようなことは、会社にとっても今までにない経験のはずです。このような状況下で、新人の中で1人でも不調者が出たという事であれば、他の新人も少なからず影響を受けていると考えるのが妥当ではないでしょうか。
新人の数が少ない(10名程度)のであれば、全員面談を実施する方法もあります。こころの問題だけでなく、生活面の状況も確認したいところです。必ず聴きたい項目を挙げておいて、時間内に効率よく話を聴いてあげてください。
「会社が見てくれている」「何かあればこの人に相談すればよい」という安心感を与えることにもつながります。新人の数が多い場合には、アンケート形式などで、状況を確認することも可能です。目的を明確に伝え、設問を精査したうえで実施してはいかがでしょうか。
また、同期の不調者がどのように会社で対応されたのか、これも周りの新人はしっかりと見ています。あいまいで中途半端な対応は、会社への不信感を募らせる結果にもなりかねません。本人の同意を得た上で、どのような状況でどう対応したか、ある程度情報を共有することも検討価値があると思います。
新人の数が少ない(10名程度)のであれば、全員面談を実施する方法もあります。こころの問題だけでなく、生活面の状況も確認したいところです。必ず聴きたい項目を挙げておいて、時間内に効率よく話を聴いてあげてください。
「会社が見てくれている」「何かあればこの人に相談すればよい」という安心感を与えることにもつながります。新人の数が多い場合には、アンケート形式などで、状況を確認することも可能です。目的を明確に伝え、設問を精査したうえで実施してはいかがでしょうか。
また、同期の不調者がどのように会社で対応されたのか、これも周りの新人はしっかりと見ています。あいまいで中途半端な対応は、会社への不信感を募らせる結果にもなりかねません。本人の同意を得た上で、どのような状況でどう対応したか、ある程度情報を共有することも検討価値があると思います。
投稿日:2020.07.14