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【コラム#90】メンタル不調者(休職者)対応での困りごと

【コラム#90】メンタル不調者(休職者)対応での困りごと

みなさんこんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。今回は、メンタル不調者(休職者)と会社との間で起こりがちな問題について、話題にさせてください。

メンタル不調者の対応ケース

弊社のコンサルサービスをご利用、開始いただくケースで多いのは、以下で示すような、目の前、対応に苦慮する事案を抱えている場合です。

①休職期間が満了直前になって、急に攻撃的(会社の要因で不調になった)になるケース

②労災や、ハラスメントが要因であると、強く訴えるケース

③上司や同僚など、ストレスの要因となった社員の個別の謝罪を強く要求するケース

④規則や規定の合間を縫って、休職復職を繰り返しながら、各種手当金などを受給し続けるケース

⑤メンタル不調とは関連の無い、過去の問題(残業代の不払いなど)を持ち出してくるケース

担当者側の様々な苦労

1つとして同じケースはありませんが、急ぎでのご依頼事例において、やはり担当者が相当に疲弊しています。特に、従業員側が労基や法律相談などへの相談も始めており、メールなどのやりとりが攻撃的になってきていると、担当者のストレスは一気に高まります。

担当者個人としては、相手方の不条理な言葉遣いや怒りの感情に対して、正当に反論したい気持ちもある中、組織としての対応として、時には会社側の非を認めて謝罪したり、言葉尻を捉えられないように、表現を柔らかくしたり、本来の業務がある中で、メンタル対応だけでも大きな負担になることは明白です。

また、時間的な切迫も大きな要因です。休職期間の満了が迫っているケースなどでは、会社側の対応の遅れを指摘される事にもなりかねませんので、担当者としては、社内での連携にも神経を使っておられます。

 

心理士(コンサルタント)の役目

このようなケースでは、心理職として、本人やご家族、また上司や人事担当者への面談を通じてのご支援は当然ですが、コンサルタントの立場として、規定や規則などのルールの整備についても対応させていただいております。

特に困難な事例については、社労士や弁護士などの専門家の支援を受け、記録を取り、資料を整えていくことも肝要になります。これらは、リスクマネジメントの視点だけでなく、安全配慮の視点からも大切な取り組みと考えます。

正確な情報を、出来る限り多く収集して、民主的な手続きに則って、合議の上で会社として判断していくことは、休職者の支援にもつながると信じています。

 

専門家として求められていること

心理職として困難事例に対して感じることは、両者が闘うモードになってしまっており、しっかりと意思の疎通が出来る状態ではない、という事です。ちょっとしたきっかけで始まったボタンの掛け違いが、いつの間にか大きくなって、収拾できない夫婦喧嘩に近いかもしれません。

こんな時には、あえて第三者の立場として、従業員側の想いを否定せずに傾聴し、会社側にうまく翻訳して現状を伝える事(その逆もあります)が意味を持つと考えています。

それぞれの想いをしっかりと受け止め、共有のお手伝いをすることも、困難事例で私達に求められる専門性のひとつかもしれません。





 
投稿日:2021.11.02
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