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【コラム#89】新入社員研修での最近の傾向は??

【コラム#89】新入社員研修での最近の傾向は??

みなさんこんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。前回は、復職支援における個別面談の効用についてお伝えしました。今回は、最近よく聞かれる話題について、お話させていただきます。

新入社員研修での最近の傾向

新人の最近の傾向については、新入社員対応をしている人事労務担当者の方にとっては、気になるトピックスのようです。

人間の本性自体が大きく変わることは、そうそうないと思っていますが、職業観や人生観に関しては、時代を反映したような声を聴くことがあります。

新入社員研修で、今までの自分の足跡を開示して、どのようなことを大切な「価値」として生きてきたか、また、どのような自分になっていきたいか、どのようなこと「価値」を大切に生きていきたいか、を聴くワークがあります。入社後、ある程度、同期の間でも関係性が出来ていて、なおかつ研修の場に会社の人がいない場合には、彼らの本音も垣間見られます。

入社の本音

「研究室の先生に勧められて入りました」

「第一志望がだめで、なんとなく決まりました」

「旅行業界を目指していたのですが、どこもダメでここにしました」

「周りが就活を始めて、自分もなんとなくの流れで決めました」

「周りの目もあるので、とりあえず就職しました」

「世間体を気にしたので、このグループに決めました」

照れ隠しもあるかもしれませんが、選考時にはおおよそ語られることの無いような言葉が並びます。そもそも、仕事を始める・社会人になるという「選択」をしたというよりも、流れで今ここにいる、という感覚でしょうか。

仕事よりもプライベート重視

ただ、私が会社員となる30年近く前でも、同じような感覚の人間が、正直多かったとは思います。

私自身は以前も触れましたが、航海士として、社会人人生を始めたので「船乗りになる」という意識が強かったのですが。。ポイントはこの後です。「…しかし、プライベートでは、海外旅行が好きです」

「…、音楽が好きで自分でバンドを組んでいます」

「…、不労所得で食べていきたいので、投資が趣味です」

「…、副業としてネットでパソコンを格安に仕入れて転売しています。」

など、プライベートでの充実や、大切な仲間との関係性などは、すらすらと出てくる感覚です。

そして、今後の話題となると、仕事での成長や面白さを感じたいという思いよりは、「プライベートを、今後も、より充実させていきたいです」と締めくくる方が多くいらっしゃいます。

自分が生きる本当の価値

会社だけが全てではない、との認識はとても良いことだと思います。プライベートの充実が、仕事の充実にもつながる面もあるとも言われています。さらに、仕事だけをしてきた世代の背中を見て、そこで犠牲にされてきたものを感じているのかもしれません。

ただ、バランスが悪いようには感じます。

仕事の面白さは、もちろん入社して苦労して、その先に感じるものかもしれませんから、今の時点で働くことの意味や価値を感じるのは難しいのかもしれません。ただ、社会や会社が、これらを伝える努力や教育の優先度が少し下がっている様にも思います。自分の大切にしている価値と、社会や会社が大切にして、自分たちに求めている価値の「重なり」の中に、いきいきと働く要素が隠れていると思っています。

若者たちは自分たちの価値を明確にし始めています。今度は、社会や会社が「価値」を明確にして、発信していく必要があるのではないでしょうか。



投稿日:2021.10.15
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