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【コラム#101】バウンダリー・マネジメント

【コラム#101】バウンダリー・マネジメント

みなさん、こんにちは。株式会社ヒューマン・タッチの森川です。8月は夏休みとして、コラムもお休みいただいていました。今月から不定期ですが再開させていただきます。

セルフケアについて、長年セミナーを実施してきました。代表的なアジェンダ(概要)は以下のようになります。

■セルフケアの基本

 ・ストレスとは何か

 ・職場のストレス要因

 ・ストレスはどこからやってくるのか

 ・ストレス反応 様々なサイン

 ・ストレス反応 うつ病

 ・それでも不調になった場合には

■ストレス対処法①

 ・ストレス対処法 身体・睡眠・行動面から

 ・呼吸法、脱感作の体験

■ストレス対処法②

 ・ストレス対処法 精神・認知面から

 ・柔らかい考え方を作り出す

■ストレス対処法③

 ・「今、ここ」に意識を向ける

 ・マインドフルネスの体験

■ストレス対処法④

 ・リラクセーションとは

 ・自律訓練法の体験

 

ご覧いただいてお分かりのように、「ストレス対処法」がメインです。職場では「ストレス要因」が多くあり、その要因に対して、私達がどのように(生活習慣の面や認知面から)対応するかをお伝えしています。私の感覚では「受動的」な対処方法です。以前から感じていましたが、「能動的」な対処方法も強化していくべきではないかと思います。

 

私の考える「能動的」な対象法は大きく以下の2つになります。

①自らの「価値」を整理して、業務や会社が求める「価値」との重なりを意識する

 →仕事自体を「いきいき」と取り組むことが可能に。エンゲージメントを高める

②「余暇」を充実させて、仕事以外の分野で「価値」を感じ高める

 →「余暇」での充実を、「仕事」に生かすことが可能に。エンゲージメントを高める

①については、以前コラムでも詳細を書きました。②については、近年、健康経営への取組の中でも、「福利厚生」の分野で注目されてきています。ここで大切な考え方が「バウンダリー・マネジメント」です。

バウンダリーは境界を意味する言葉です。2つの事柄(境界)をコントロールして良い状況を作り出すことが、「バウンダリー・マネジメント」の考え方です。健康経営の場面で言えば、「仕事」と「余暇」をコントロールする力、とも言えますね。厚生労働省の発表した「令和元年版 労働経済の分析」では、

・仕事と余暇時間の境目のマネジメント(バウンダリー・マネジメント)が「出来ている」と自己評価された方は、働きがいが高い者の構成比が高い。

・働きがいが高い者が心掛けている取組には、「家族や恋人と過ごす」といった内容に加えて、「自己管理力を高める」「普段からプライベートの話を職場で出来る人間関係を構築する」「余暇時間に仕事が気にならないよう、計画的に業務処理する」といった業務遂行に関連する内容もある。との研究結果も出ています。

ただし、「余暇の充実」は言葉でいう程、簡単ではないと思う方も多いのではないでしょうか。特に「仕事が趣味」と言わざるを得ない状況の人にとっては、意識の転換が必要な場面もあるかもしれません。新しい働き方を進める中で、否応なしに私達に突き付けられた「余暇」。どのように開発して、それを仕事にも生かしていくかは、個人だけでなく、「エンゲージメントを高める」必要性のある組織にとっても、検討課題(支援の対象)なのではないでしょうか。

 

 

投稿日:2022.09.26
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