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管理監督者が抱える悩みの対処、予防~ミドルエイジ・クライシスを乗り切る~【コラム#119】

管理監督者が抱える悩みの対処、予防~ミドルエイジ・クライシスを乗り切る~【コラム#119】

【ヒューマン・タッチ レター vol.119】

みなさん、こんにちは。株式会社ヒューマン・タッチの森川です。 

今回は、「管理監督者のメンタルダウン②」として、管理監督者特有の対処法や予防のために必要な方法、について話題させていただきます。

1.管理監督者特有のストレス要因は?<前回のおさらい>

前回、管理監督者に特有のストレス要因について、以下のように整理させていただきました。

■業務側のストレス要因

・「業務の量(過重な業務量)」

・「業務の質(マネジメント)」

・「人間関係(部下)」

・「人間関係(上司)」

・「人間関係(顧客)」

■個人(性格)側のストレス要因

・「完璧主義」

・「抱え込みすぎ(ヘルプ出せず)」

・「孤立感」

・「体の衰え」

・「スキル面での不安」

業務面であれば、プレイヤーとしての業務に加えて、マネジメント業務が高負荷を生んでいる状況が見て取れます。また、職場の人間関係に関しても、社内だけでなく社外とのコミュニケーションがストレス要因となる方もいらっしゃいます。個人面からはもともとの性格傾向が、加齢とともにより顕著に現れる方もありますし、全盛期の体力や知的能力からの低下を感じる中での自信の喪失もあるのではないでしょうか。

2.「ミドルエイジ・クライシス」は環境変化で起こる

「ミドルエイジ・クライシス」という言葉があります。「中高年の危機」「第2の思春期」とも呼ばれ本来的には、中年期を迎えた個人が直面する、自己肯定感やアイデンティティーの変化などを指しますが中高年特有の生活環境や肉体面の変化、またそれに伴う心身の反応なども含められることがあります。

・加齢に伴う身体的な変化

→体力や瞬時の判断力の低下

→生活習慣病の顕在化

→見た目(しわ、白髪、抜け毛)や、老眼、体臭などの変化

・家族の変化

→子供たちの巣立ち

→配偶者との関係

→介護、看護の問題

・仕事上での変化

→高度な新技術の導入

→高い責任、求められる規範などの多さ

→部下や上司、また同期に対する、劣等感や屈辱感

などは大きな環境変化なのではないでしょうか。私自身、中年期に入る中で身をもってこれらの変化を感じることがあります。どうしようもなく、また、誰もが経る環境の変化だと思いますが、特に、自分の力を信じ、その力を発揮して結果を出されてきた管理監督者の地位にある方にとっては、受け入れがたく、変化に抗うことに力を使う方も多くあるのだと思います。

「体を鍛える」「金髪にする」「海外移住を決める」「独立しようとする」「地域のコミュニティに参加する」「推し活」といった新しい取り組みをする方もいると思います。

もちろんこれらの取り組みは、これからの人生を考えた時に、選択しえなかった自分の「価値(大切にしていた考え)」の実現の試みとして、うまく働くこともあると思います。一方で、「今の生活を維持することで精いっぱいだ」という声も聴かれます。新しい一歩を踏み出すことは、エネルギーがいるものでもありますね。そのような場合にはまずは、今できることとして、以下のような対処法を実験してみてはいかがでしょうか。

3.「ミドルエイジ・クライシス」の乗り超え方

■立ち止まる時間を作る

・連続した休暇

・PC、スマホ、SNSなどから離れる

・物理的に会社や家族から距離を取る

■以前好きだったもの、やりたかったことを始める

・スモールステップで

■音楽を聴く

・一人の世界に浸る

■自分の「価値」を言語化する

■利己から利他へ、利他から利己へ

とにかく忙しい方、まずは時間を作ってみてください。自分が大切にしてきた「考え」これから大切にしていきたい「価値」、などが言語化できる機会の獲得です。その上で環境の変化に身をゆだねながらも少し手足をばたつかせて、自分の求める流れに合流できるとよいと感じています。

投稿日:2024.06.10
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