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【コラム#71】コロナ禍のストレスチェック組織結果の読み方

【コラム#71】コロナ禍のストレスチェック組織結果の読み方

みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチの森川です。

コロナ禍でのストレスチェック組織結果が出てきています。弊社でも報告会を必ず実施しておりますが、みなさんは、「総合健康リスク値」が本年度、どのように変化していると思いますか?

人事の声

「コロナ禍、メンタル不調の人や自殺者が増えているとの事、コロナだけでなく、リモートワークでのストレスもあり、組織全体のリスク値も大きく上がっているのではないか」

人事の方々からは、このようなお声を聴きます。私自身も、実際の結果を見るまでは、このような傾向が、程度の差はあれ、出てくるのではないかと予想しておりました。

ストレス要因の4項目

しかし結果は、予想外のものでした。

私たちの把握する結果なので、必ずしも社会全体の傾向とは言い切れませんが、「総合健康リスク値」は横ばいか、むしろ改善した企業様も多くでてきているのです。

「総合健康リスク値」は、「仕事の量的な負担」「仕事のコントロール」「上司からの支援」「同僚からの支援」で構成されています。職業性ストレス簡易調査票は19の測定項目がありますが、「総合健康リスク値」は上記4つのみから算出されています。

職場でのストレス要因として大きく関与する4つから構成されていると考えてみてください。

コロナ禍での変化

では、コロナ禍、上記4つの項目はどのように変化したのでしょうか。

「量的負担」「コントロール」は、コミュニケーションツールや、情報共有ツールが整備されている企業様では、「自分の仕事の範囲が明確になった」「納期や作業内容の指示が明確になった」「電話や上司からの話しかけがない分、業務に集中でき効率的になった」「通勤が無くなった分、睡眠時間が確保でき業務効率が上がった」など、プラスの側面の声も多く聞かれます。

コロナ禍、「量的負担」が減り、「コントロール」が上がったと感じる職員の方が一定数いるのではないか、と推察します。

管理者の困りごと

「上司からの支援」「同僚からの支援」についてはどうでしょうか。

コロナ禍、コミュニケーションの課題は確かに耳にします。管理職の皆さんからは、部下の様子が分からない、部下の困りごとが見えてこない、業務の進捗が把握できない、仕事をさぼっているのではないか、実際に出社している自分に対顧客業務が集中する、電話しやすい部下だけに仕事を振ってしまう、などなど。

他方、一般職の皆さんは、「職場でのハラスメント的なことから逃れられる」「新人だからとやらされる業務から解放された」「テキストで業務指示が出るので、振り返ることが出来る」「関係者に一度に情報共有できる」「メールの言葉遣いを柔らかくしている」と、前向きな意見も多く見られました。

テキストやWeb会議であっても、「支援」できることの可能性も感じます。

情報共有とコミュニケーションの工夫

ストレスチェックとは別に、コロナ禍でのアンケート調査を実施しますと、「精神的負担感」が増加した人と、減少した人は、ほぼ同数といった結果も出てきています。ただ、これが管理職だけを見てみますと、負担を感じる方が2倍ほど多くなっています。

同じチーム内でのコミュニケーションは、今まで以上にスムーズになった半面、チームをまたいだり対顧客でのコミュニケーションは、負担感が増してきている可能性を感じます。

コロナ禍、組織としての力を最大限に引き出すためにも、「管理監督者」の「テキストや画面を通じたコミュニケーション能力の向上」と「チームをまたいだ情報共有やコミュニケーションの工夫」はより重要性が増してくるように感じています。

総合健康リスク値の読み方

本題に戻ります、では、コロナ禍でのストレスチェック組織結果についてはどのような数字を見ればよいのでしょうか。

・「高ストレス者」数の経年変化

・「抑うつ度」が高い方の経年変化

・「家族や知事からのサポート」の経年変化

・「仕事や生活のお満足感」の経年変化

「総合健康リスク値」は職場での健康リスクを測定するものですし、あくまで平均値です。職場全体としての「総合健康リスク値」に惑わされずに、上記の項目、特に「高ストレス者」と「抑うつ度」の高い方、が増加していないか、しっかりとみていく必要があると思います。

弊社のお客様でも、「総合健康リスク値」は変化なくても、「高ストレス者」もしくは「抑うつ度」の高い方が増加している傾向が見られます。

コロナ禍、影響を受けやすい人(元来有している脆弱性の高い方、家族や知人などサポート因子が低い方など)のメンタルダウンや離職に、より注意を払っていく必要があると感じています。

従業員の個別的な要素をコロナ禍、すべて会社で把握することは難しくなってきています。このような場合は、アンケート調査や全員面談などが力を発揮するのではないでしょうか。

投稿日:2020.12.21
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