職場での人間関係構築に成功するための2つの方法【コラム#110】
みなさん、こんにちは。株式会社ヒューマン・タッチ 臨床心理士・公認心理士の森川です。
今回は、前回の続きとして4つのストレス要因のうち「サポート要因」についてお話しさせていただきます。
(前回の記事はこちらから)
サポート要因とは
前回もお話ししましたが、職場で感じるストレス反応について、
「職場特有のストレス要因」
「仕事以外のストレス要因」
「サポート要因」
「個人の特性(性格傾向や生活習慣など)」
の4つが代表的なストレス要因として挙げられます。
「サポート要因」とは、私たちがつらい状況に陥った時に助けてくれる人や環境のことを指しています。つらい状況(特に症状まで出ているようなとき)は、助けてもらうしか方法はないのです。自分で何ともできないからこそ「病気」なのですね。
職場であれば、上司や同僚が大切なサポート要因(助けてくれる人)になりますね。ただ、人間関係は私たちを助けてくれることもあれば、逆にストレス要因にもなりえます。すべての人と良好な関係が結べれば、それに越したことはないですが、なかなかそのようにはいきません。しかしながら、たとえ数が少なくとも、信頼関係を結び、いざというときに助けてもらえる人を作っておくことは、やはり意味があるのだと思います。
※人でなくても、ペットや観葉植物でも「私にとってあなたは大切な人(存在)、あなたにとって私は大切な人(存在)」という関係は、自己効力感の向上に役立つといわれています。
「職場特有のストレス要因」
「仕事以外のストレス要因」
「サポート要因」
「個人の特性(性格傾向や生活習慣など)」
の4つが代表的なストレス要因として挙げられます。
「サポート要因」とは、私たちがつらい状況に陥った時に助けてくれる人や環境のことを指しています。つらい状況(特に症状まで出ているようなとき)は、助けてもらうしか方法はないのです。自分で何ともできないからこそ「病気」なのですね。
職場であれば、上司や同僚が大切なサポート要因(助けてくれる人)になりますね。ただ、人間関係は私たちを助けてくれることもあれば、逆にストレス要因にもなりえます。すべての人と良好な関係が結べれば、それに越したことはないですが、なかなかそのようにはいきません。しかしながら、たとえ数が少なくとも、信頼関係を結び、いざというときに助けてもらえる人を作っておくことは、やはり意味があるのだと思います。
※人でなくても、ペットや観葉植物でも「私にとってあなたは大切な人(存在)、あなたにとって私は大切な人(存在)」という関係は、自己効力感の向上に役立つといわれています。
「あいさつ」と「傾聴」
では、どのようにそのような人間関係を職場で構築するか。簡単な方法を2つご紹介します。
あいさつ
「おはようございます」「お疲れ様です」「お先に失礼します」みなさん、当たり前に行っている挨拶。当然のことと思われる方も多いと思いますが、なかなかに挨拶がなされていない職場も「ゼロ」ではありません。
あいさつは、「相手の存在を認める」行為です。あなたの存在を認めています、職場の仲間として認めています、というサインになります。相手から自分を認めてもらえると、「私もあなたを認めます」となりえます。互いに認め合うためには、まずは私たちから相手を認めることが大切ですね。
あいさつ
「おはようございます」「お疲れ様です」「お先に失礼します」みなさん、当たり前に行っている挨拶。当然のことと思われる方も多いと思いますが、なかなかに挨拶がなされていない職場も「ゼロ」ではありません。
あいさつは、「相手の存在を認める」行為です。あなたの存在を認めています、職場の仲間として認めています、というサインになります。相手から自分を認めてもらえると、「私もあなたを認めます」となりえます。互いに認め合うためには、まずは私たちから相手を認めることが大切ですね。
一人の味方をつくること
また、可能であればあいさつに「一言プラス」してみてください。「おはようございます。今日は寒いですね」「お疲れ様です。今日も忙しかったですね」「お先に失礼します。今日は家族の誕生日なんです」どうでしょうか。一言プラスがあれば、その先、コミュニケーションも促進されるのではないでしょうか。
もちろん、いろんな人間がいます。挨拶しても返事が返ってこない場合もあるかもしれません。先にも書きましたが、あいさつはすべての人と良い関係を結ぶことが目的ではありません。たったひとりでも、自分を助けてくれる人をつくることも目的になりえるのではないでしょうか。
もちろん、いろんな人間がいます。挨拶しても返事が返ってこない場合もあるかもしれません。先にも書きましたが、あいさつはすべての人と良い関係を結ぶことが目的ではありません。たったひとりでも、自分を助けてくれる人をつくることも目的になりえるのではないでしょうか。
「傾聴」は、受容と共感
傾聴
相手の話を情報として耳から聞く、のではなく、相手の話にこころを向けて「受容」と「共感」の姿勢で聴く、ことですね。傾聴の詳細については、また別の機会にお話しさせていただきますが、相手の話をまずは否定せずに受け止め、あたかも自分事のように話を聴いていくことです。傾聴することで、相手には以下のような効果があるといわれています。
「自己効力感(自分に対する信頼や有能感)」
「カタルシス効果(ストレス解消、うっぷん晴らし)」
「内省(自分の考えや気持ちを整理する)」
「問題解決のヒントは本人の中にある」
私も講師業も長いので、身にしみて感じるのですが、例えば私の話が拙く面白くないので、100人の受講生の内99人が虚ろ虚ろしてしまったとします。しかし、残りのお一人が、首を縦に振ってうなずき、私の話をしっかり聴いてくれていれば、私は2時間でも3時間でもお話しできるのです。話を聴いてくれる人が目の前にいれば「もっと聴いてほしい」「もっと理解してほしい」「私のことを認めてくれている人だ」「この人のために何かしてあげたい」と、話ができるのですね。
相手の話を情報として耳から聞く、のではなく、相手の話にこころを向けて「受容」と「共感」の姿勢で聴く、ことですね。傾聴の詳細については、また別の機会にお話しさせていただきますが、相手の話をまずは否定せずに受け止め、あたかも自分事のように話を聴いていくことです。傾聴することで、相手には以下のような効果があるといわれています。
「自己効力感(自分に対する信頼や有能感)」
「カタルシス効果(ストレス解消、うっぷん晴らし)」
「内省(自分の考えや気持ちを整理する)」
「問題解決のヒントは本人の中にある」
私も講師業も長いので、身にしみて感じるのですが、例えば私の話が拙く面白くないので、100人の受講生の内99人が虚ろ虚ろしてしまったとします。しかし、残りのお一人が、首を縦に振ってうなずき、私の話をしっかり聴いてくれていれば、私は2時間でも3時間でもお話しできるのです。話を聴いてくれる人が目の前にいれば「もっと聴いてほしい」「もっと理解してほしい」「私のことを認めてくれている人だ」「この人のために何かしてあげたい」と、話ができるのですね。
理想的な信頼関係
すなわち、傾聴はされている側だけでなく、している側にもメリットがあるのだと思います。「私はあなたの話をしっかりと聴いています。ひいてはあなた個人のことを信頼しています。」というメッセージとなり、「あなたも私の話や私の存在自身を尊重してください」となるのではないでしょうか。
理想論かもしれませんが、傾聴は結果として双方が信頼しあう、大きな手段となるのではないかと感じます。相手から信頼され、助けてもらうためには、まずは私たちがしっかりと話を聴き、相手を信頼することから始める、ということですね。
「あいさつ」も「傾聴」も苦手な方があれば、相手のためだけでなく、実は自分のため、つらいときに助けてもらう人を作るため、と考えて職場で実践(実験)することは意味があるのではないでしょうか。
理想論かもしれませんが、傾聴は結果として双方が信頼しあう、大きな手段となるのではないかと感じます。相手から信頼され、助けてもらうためには、まずは私たちがしっかりと話を聴き、相手を信頼することから始める、ということですね。
「あいさつ」も「傾聴」も苦手な方があれば、相手のためだけでなく、実は自分のため、つらいときに助けてもらう人を作るため、と考えて職場で実践(実験)することは意味があるのではないでしょうか。
投稿日:2023.06.28