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(特別寄稿)部下のモチベーションを高めるには・・【コラム#135】

(特別寄稿)部下のモチベーションを高めるには・・【コラム#135】

【ヒューマン・タッチ レター vol.135】

 

「最近、部下のやる気が感じられない」 

「指示した仕事はこなすが、主体性が見えない」 

このような相談は、カウンセリングや上司とのグループの面談でも聞かれます。個人や職場全体の生産性が下がるだけでなく、他の社員の士気にも影響がでることもあります。 

モチベーションは個人の性格や考え方だけで決まるものではなく、業務量や内容、職場環境や上司との関係性によっても大きく左右されることが分かっています。 

■まずは現状を確認

〇業務について

 ・与えている業務量は適切か(多くても少なすぎても良くない。効率よく進められているか)

 ・その業務の目的や向かうところを理解しているか

 ・評価をきちんとしているか

 ・与えている役割は明確となっているか

 ・裁量は持てているか



〇職場環境について

 ・心理的安全性―無知、無能、ネガティブ、邪魔と思われる可能性のある行動をとっても大丈夫と信じられる状態(Amy C. Edmondson)は保てているか

その上で、以下のポイントで部下に関われると良いと思います。

■「評価」よりもまず「承認」を増やす

多くの職場では、評価は年に数回行われますが、日常の承認が不足していることが少なくありません。

承認とは「褒める」だけではなく、

 ・努力を見ている

 ・工夫に気づいている

 ・貢献を認識している

といったことを言葉で伝えることです。

(例)

営業チームのAさんは、売上は平均的でしたが、顧客対応が丁寧でクレームがほとんどありませんでした。しかし上司は売上だけを評価していたため、Aさんは「自分の努力は意味がない」と感じていました。

そこで上司が面談で「Aさんの顧客対応はチームへ信頼に繋がっている。クレームが少ないのは大きなことだ」と伝えたところ、Aさんは自信を取り戻し、顧客紹介も増え、結果として売上も伸びていきました。

人は“見てもらえている”と感じると、安心感が持て、主体性が生まれます。

■ 「指示型」から「質問型」へ変える

上司がすべて答えを示すと、部下は「言われたことだけやればよい」という姿勢になりがちです。

そのため、次のような質問を活用します。

 ・「どう進めようと思う?」

 ・「他にやり方はありそう?」

 ・「どこが一番難しそう?」

これは自分で考える機会を作る関わり方です。

(例)

企画担当のBさんは、いつも上司に「どうしたらいいですか?」と確認していました。

上司はこれまで答えをすぐに伝えていましたが、ある時から「Bさんはどう考えてる?」「3つ案を出してみて」と問いかけるようにしました。

するとBさんは次第に自分の考えを持って相談するようになり、半年後には小規模プロジェクトを任されるまでに成長しました。

主体性は“自分で考えること”によって育ちます。

■ 仕事の意味を共有する

モチベーションが低下する理由の一つは、「なぜこの仕事をしているのか分からない」ことです。

単なる作業としてではなく、

・会社にとっての意味

・顧客への価値

・チームへの影響

を伝えることが重要です。

(例)

バックオフィス業務を担当していたCさんは、日々の入力作業にやりがいを感じられず、仕事への意欲が低下していました。そこで上司は「このデータがあるから営業は顧客分析ができる。Cさんの仕事は営業戦略の土台になっている」と説明しました。

Cさんは自分の仕事の役割を理解し、業務改善の提案を出すようになりました。

仕事の意味を理解すると、人は自分の役割に誇りが持ちやすくなります。



モチベーションは「上げるもの」というより、育つ環境をどう作っていくかになります。そのためには、部下との関係だけではなく、部下をとりまく環境をどう整えるか、どうコミュニケーションを取り合うか考えていけると良いと思います。
投稿日:2026.04.03
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