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心に余裕のある職場づくり【コラム#134】

心に余裕のある職場づくり【コラム#134】

【ヒューマン・タッチ レター vol.134】

みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチの森川です。

突然ですが、みなさんは「余裕」おもちでしょうか?辞書には「ゆとり。余りがあってゆたかであること。ありあまること。また、ゆったりとしていること。」と書かれています。この言葉、ストレスチェック後の職場環境改善に向けた、マネジメントインタビュー、全員面談、などでよく聞かれる様に感じます。もちろん、「余裕がある」ではなく「余裕がない」という表現で。

マネージャークラスからは、「部下のことに目をやりたいのですが、余裕が無くて。」「目の前のことで精いっぱいで、部門全体のことには余裕が無くて目が行きません」などなど。一般従業員の方からは、「とにかく人が少ない。余裕が無い」「マネージャーが忙しく余裕がないので相談出来ない」といった内容です。

■余裕がないと陥る状況

マネージャークラスからは、「部下のことに目をやりたいのですが、余裕が無くて。」「目の前のことで精いっぱいで、部門全体のことには余裕が無くて目が行きません」などなど。一般従業員の方からは、「とにかく人が少ない。余裕が無い」「マネージャーが忙しく余裕がないので相談出来ない」といった内容です。

ストレスチェックの組織結果や各種サーベイの結果から、職場の抱える課題の見える化は以前よりもだいぶ進んだと感じます。人事担当者や従業員の皆さんにとっては、「まぁ、そうだよね」という要因であっても、数字として比較できる形で見える化されることは、その改善に向けて大きな意味があると感じています。

課題の要因やその背景をより細かくみていく時、みなさんの口から「余裕」のなさが挙げられるのかもしれません。例えば、サービス残業が横行し有給も取得できず、最低賃金も守られていないような職場で、「いきいき職場づくりの為に、コミュニケーションを良くしましょう」というお題目を掲げても、私は、意味はないと思います。働きやすさの前に、法律やルールを守ることは最低限必要な条件ですよね。

私も中小零細企業の代表者です。出来る限りコストを抑えて、売り上げや利益を伸ばし、社会や従業員に貢献したいと考えています。貢献と言えば言葉が良いですが、この循環を作らない限り会社が存続できないと身をもって感じているからです。

価格転嫁が難しい中、売り上げが上がりにくくなるとすれば、コストを下げたい。人件費ですね。人が少なくなれば、仕事が回らず退職者が増える。人をとりたくても、ただでさえ人手不足の中、大手のような給与も提示できず負のスパイラルに。

マネジメントインタビューや全員面談は、比較的規模の大きい企業様での実施が多いので、中小零細の例はあてはまらないと思いますが、人手不足採用困難、は共通していると感じます。

■余裕がない状態とは

少し話しが変わりますが、うつ状態の人と、そこから回復した人、同じ人であっても、課題に対しての回答が状態によって全く異なることは、この仕事をしていると日常的に感じることです。同じ脳を持つ人ですが、その機能が働いておらず、「重要な課題への対応は病気が治ってから」という原則ですね。

「余裕がない状態」というのも、もしかしたら同じような状況なのかもしれません。通常時は冷静に問題の所在を分析して、対応策も話されるような方が、「余裕が無い状態」になると、こだわりが強く出たり、他責的になったり、周りの意見に耳を傾けづらくなったりします。管理職からすれば、部下のことに目がいかなくなり、強く当たる、長期の視点で物事を考えられなくなり、一般職の皆さんは同僚や仕事そのものに対して否定的な感情や、あきらめのような感情を強く持たれたりするのではないでしょうか。

■職場で余裕を作る

「職場で余裕を作る」言うは易し行うは難し、の典型例です。ただ、各種面談の結果報告の際には、ここにたどり着くことが多いと感じます。

「だから仕方ないですね」、とはなりませんので、担当者の方と一緒に対応を考えていくのですが、その際には、職場の資源に目を向けて整理することは意味があるように思います。

職場の資源には、以下「作業レベルでの資源」「部署レベルでの資源」「事業場レベルでの資源」があるとされています。

①作業レベルでの資源

・仕事のコントロール

・仕事の意義

・役割の明確さ

・成長の機会

②部署レベルでの資源

・上司や同僚の支援

・経済地位/尊重/安定収入

・上司のリーダシップ

・上司の公正な態度

・褒めてもらえる職場

・失敗を認める職場

③事業場レベルでの資源

・経営層との信頼関係

・変化への対応

・個人の尊重

・公正な人事評価

・キャリア形成

・ワーク・セルフ・バランス(ポジティブ)

例えば、「経営層は現状のメンバーで十分と考えており、人員の補充がなされない」状況に対してそれぞれの視点で何ができるのでしょうか。

①今のメンバーで少しでも効率的に業務がこなせるような仕組みを工夫する(DX化、役割明確化、技能面での教育研修)

②マネージャーが部下からの話を「聴く」。その上で、部門としての対応を、決意をもって作り、共有し、実行する

③・現状を、根拠(数字)をもって経営層に伝え、人員の追加をマネージャーから要望する。必要な人員の補充がどうしても難しければ契約形態(派遣、バイト)や、ひとまず事務担当として補充するなど、出来る範囲内での提案を行う

・マネージャー自身の負荷を分散させるための、副担当者や事務担当者を置く

これらはあくまで一つの案です。会社風土が様々な中で、全ての会社に当てはまる改善案は無いはずです。ただ、やはりマネージャーの役割は大きいかもしれません。

見える化された会社の状況をどのように活用するのか。「少し前の結果で、今は改善しているよね」「これは誰が言ってるんだ」「従業員側の個別のモチベーションが低いのが問題だ」と切って捨てるのか、話を聴き情報を集め、必要な対応を、覚悟をもって決めて実践していくのか、限られた時間のなかで対応のスピードが、早期離職や売り上げや利益といった会社の未来につながるように感じています。
投稿日:2026.03.13
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