不調者個別対応ナビ

 このナビゲーションでは、人事労務担当者の方、もしくは管理監督者の方向けに、実際に不調者が出てしまった際の対応についてご案内します。

 

ポイント

■不調になる前に…「気づき」「声がけ」「聴く」「つなぐ」
 
不調が疑われる従業員への対応 人事労務担当者の方や、管理監督者の方に、「治療」「カウンセリング」をお願いすることは、まったく筋が違いますね。皆さんにお願いしたいのは、最終的に不調者を専門家に「つなげる」ことになります。そのために必要な行動は、「気づき」「声がけ」「聴く」「つなぐ」です。
 
「気づき」
うつ病に特有の身体的、精神的症状はいくつかあります。その特徴に気づくということももちろんありますが、ここでは従業員の「いつものとの違い」に気づいてください。「いつもみなでご飯食べている人が一人で食べるようになった」「会議で積極的な発言をしている人が、おとなしくなった」「シャツのしわが増えたり、ひげもそったりしてこなくなった」こんな些細なことでも、「いつもとの違い」であれば、意味を持ったサインかもしれません。サインを見逃すことは、「健康配慮義務違反」にもなりかねません。不調を予測していた「予見可能性が高い」にも関わらず、業務の調整など「結果回避義務」を怠った、となればすなわち「過失」が認定されることもあるのです。
実は、多くの方が職場で「気づかれて」病院に来られている現実があります。日中多くの時間を共有している皆さんだからこそ、「気づく」ことができるのかもしれませんね。気づきのポイントを以下に。
 
「勤怠面」
・休暇、欠勤、遅刻が目立つ
・仕事が遅くなる
・ミスが増える
・仕事の効率が低下する
・仕事に自信を失い自己卑下する
・会議などで口数が少なくなる
・自発的な発言が少なくなる
 
「身体行動面」
・元気がない
・新聞、本などを読まなくなる
・冗談を言ったり笑ったりしなくなる
・昼食をあまり食べなくなる
・よくため息をつく
・無精ひげを伸ばす、服装に無頓着になる
・イライラする
 
「声がけ」
従業員の様子に気づきがあれば、積極的に「声がけ」をお願いします。「あなたから声がけされること自体がストレスです!」といわれてしまえばおしまいですので、そうならないように普段からコミュニケーションはとっておいてください。
では、どのように声がけすればよいでしょうか。「精神科行ってこれば」いきなり、こんな言葉を上司から聞かされたらどうでしょうか。私であれば怒りがこみ上げてきます。上述しましたが、メンタルヘルス不調がうかがわれる方は、いろいろなサインが出ていることが多いです。「眠り」「体調(もともと弱い場所に出やすい)」「食欲」などは、わかりやすいサンですよね。「事実として表れている変化」に注目して、声がけしてあげてください。
 
-身体面
・夜中や早朝に目が覚めることはないか
・体がだるく、疲れやすいことはないか
・食欲がなかったり、下痢や便秘になっていないか
「最近疲れているみたいけど大丈夫かい?」
「昼休み仮眠取っているようだけど、寝不足かな?」
「最近昼飯食べてないようだけど、具合悪いのかな?」
「服装や身だしなみが少し乱れてきてないか?」
 
-勤怠面
・出社時間が遅くなる、遅刻が増える
・当日の有給申請や申請なしの欠勤が増える
・勤務中に眠気や集中力の低下がある
「遅刻や早退が目立つようだけれど、大丈夫か?」
「勤務中の眠気が強いように感じるよ。寝不足かい?」
「会議中、上の空に感じたけれどどうかしたか?」
 
※「せっかく声をかけたのに、部下から「大丈夫です」と言われました。どうすればよいでしょうか。。」
原則は、産業医や専門医受診への「勧奨」「依頼」だと思いますが、週に2日以上遅刻早退欠勤を繰り返す。食事をとっていない。就業時間中も突っ伏して仕事にならない。など、明らかに様子がおかしい場合、すなわち予見可能性が高い場合には、「勧奨」「依頼」から「指示」「命令
」もありだと思います。
 
・「そうか。ただ、自分で大丈夫と感じていても、知らず知らず体からサインが出ていることもあるよ。一度産業医の先生や病院にかかってみてはどうだい?」

・「私には、皆が健康で仕事してもらえるように配慮する義務もあるんだ。一度、産業医や保健師と面談してみてはどうだろうか。これはお願いというよりも、指示として聞いてくれ。次回産業医面談を予約しておいたので、先生とお話しするように。」
 
「聴く」
この場合の「聴く」は「耳を傾けて聴く」という意味です。「気づいて」「声をかけて」その場で30分もしっかりお話ができるでしょうか。なかなか難しいですよね。可能であれば、時間と会議室など区切られた場所を改めて準備して、話をしっかりと聴いてあげて下さい。もちろん、管理監督者の皆さん自身もプレーヤーである現状、このような時間をとることのむずかしさや負担感は、十分に承知しています。それでも、部下がメンタル不調から病気になり、メンバーや管理者自身にかかる負担を考えたとき、「聴く」時間はとても大切になってくると感じています。
この場合には、「相手の気持ちに、ただひたすら耳を傾ける」ことが重要です。「傾聴」には「受容」と「共感」が大切なポイントです。「受容」とは「相手の考えや気持ちを、否定せず、そのままに受け入れること」。「共感」とは「相手の話を、あたかも自分のことのように受け止め感じること」です。
「アドバイスをしてやろう」「問題を解決してやろう」の前に、「あなたの気持ちを理解しようとしているよ」「そんなに○○だったんだね」と良し悪しを離れて、気持ち感情を聴いてあげてください。私たちは目の前に、聴いてくれる人がいれば「もっと聴いてほしい」「もっと理解してほしい」と、自然といろいろな話題が出てきます。そうすれば、睡眠面、体調面、精神面、などいろいろな情報も聴くことができるはずです。ただ、1度の面談で全て聴こうとしなくてもよいと思います。場合によっては、沈黙が多い場面があるかもしれませんが、「沈黙を許容してくれた」「しっかりと待ってくれた」話してのこんな気持ちは、次の面談への信頼関係を構築してくれることもあります。
 
・相手の話を理解して、わかってあげる
→「この人はわかってくれる」「理解してくれる」「聴いてくれる」
→「もっとわかってもらいたい」「もっと聴いてもらいたい」
・「アドバイスしてやろう」と思わない
・相手の気持の沿うように聴く
・自分が話す時間よりも、相手が話す時間を多くとる
・「つらい」「しんどい」「かなしい」といった気持ちを表現する。言葉には、うなづきやオウム返しを
・守秘義務の厳守
‐「相談内容は、あなたの了承なしには第三者に話すことはないので安心して下さい」
‐必要な場合には、相談者本人の承諾を得て内容を取り扱う
・相談場所の配慮
‐声の漏れない場所、区切られた時間
・相談者と相談を受ける側の配置
‐対面法、90度法
・非言語コミュニケーションを大切に
‐表情、発話の早さ、音の長短・強弱
 
「つなぐ」
「気づいて」「声がけして」「話を聴く」ことができれば、多くの情報を得ることができます。

例)朝方4時や5時に目が覚める、一日中気分が沈む、やる気がでない、
罪悪感や自責感が強くなる、興味関心が薄れる、死んでしまいたいなど

こんな状況が2週間以上継続しているようであれば、一時的な気持ちの揺れではなく、「病気」や「症状」といったものを疑う必要があります。社内外の相談窓口にぜひつなげてください。さらに「死んでしまいたい」「消えてなくなりたい」「自殺未遂をした」こんな言葉も出ているようであれば、本人の個人情報という概念を超えて、すぐに人事労務担当者、産業医など社内の関係者と情報共有をしてください。そして一人にせずに、専門医へそのままつなげてあげてください。可能であればご家族に来ていただいて病院まで送ってもらう、それが無理であれば一人にせずに会社の関係者でも結構です、診察室の中までついて行ってあげてください。「死にたいといっています」医師にこのように伝えていただいてもよいと思います。「死にたい死にたいという人間は死なないから大丈夫だ」この言葉は、私は反対にとらえています。「死にたい」と言葉に出ている場合には、5割7割増しでその危険性を共有したいところです。50人未満の事業場では、つなぎ先として、地域産業保健センターがその役割を果たします。

 
■それでも休職に入ってしまったら
それでも不調になったら「気づき」「声がけ」「聴く」「つなぐ」で、不調が表面化し、専門医につながった場合、会社としては、業務を継続できるのか、療養の必要があるのかどうか、専門医の医学的根拠が必要になります。主治医から診断書をもらいましょう。もちろん、会社負担で会社指定の医師や産業医の面談を入れることもあります。診断書で「○○か月の自宅療養の必要あり」とでれば、これを否定することはできません。会社のルールにのっとって「病気欠勤」や「休職」という扱いになります。この際に気を付けたいのが、「有給休暇」の取り扱いです。本人の確認なしに、まずは有給からと自動的に療養期間に組み込むのはあとで問題になることがあります。復帰してからの体調の波のことを考えると、「有給休暇」は残しておく考えもあるからです。
また、長期の療養に入る際には、従業員の多くが「金銭面」での心配を生じます。「傷病手当金」に限らず、組合や制度から支給される欠勤中の給付があるようなら、しっかりと説明してあげてください。さらに、会社の欠勤に関する制度、自分の有する休職期間、急務中の連絡先、療養の基本、などを小冊子などでご家族含めてご案内することも意味があります。
メンタルヘルス不調により休職や入院が確定したのであれば、まずはしっかりと休養してもらいましょう。うつ病の治療については「休養」と「服薬」加えて「カウンセリング」が基本となります。精神的な負担からしっかりと離れてお薬を飲めば、3か月から6か月で回復できるとされています。
ですので、会社からはこのような時期には、不要な連絡は避けるようにしましょう。会社からの連絡が負担となるケースは多くあります。

 

メンタルへルスのハジメ 支援メニュー活用事例

■従業員数60名規模の製造業(食品)様
「トータルパッケージプラン」にコンサルティングを6時間追加。
・年間を通じて、不調が疑われる人物が2名ほど発生する。彼らへの積極的な面談をコンサルティングの時間を使って実施。本人の同意の上、会社側と情報共有も可能。健康配慮義務の履行に活用。
※本ナビで利用しているPPT資料は、メンタルヘルスのハジメ専門家が用いるセミナー資料の一部抜粋です。事例として紹介しており、赤字は実施に本事例での対応方法であり、この方法でなければならないというわけではありません。原則を意識しながら、個別的な状況を勘案して、対応していくことが対応の基本となります。

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