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【コラム#49】薬だけで本当に回復するのか?

【コラム#49】薬だけで本当に回復するのか?

みなさん、こんにちは。森川です。今回、社員から「メンタル不調からの復職支援で、薬だけで本当に回復するのか?」とお題をもらったので、そのことについてお話させていただきます。

メンタルヘルス不調といっても・・

メンタルヘルス不調、といってもどのような状況なのかは、本当に個別的です。診断名から見てみたときには「うつ病」「うつ状態」「適応障害」「パニック障害」「発達障害」などなど・・

会社で出される診断書の記載もそれぞれだと思います。結論から言えば、「薬と療養だけでしっかりと復職できるケースもある」と言えます。

適応障害の場合

例えば「適応障害」との診断名の方は、ストレスの要因がはっきりしているケースがあります。

職場でのストレス要因に、反応的に心身の状態が悪化しているケースでは、その要因から離れ(自宅療養)、出ている症状(眠り、不安、あせりなど)を抑えるお薬によって、短期的に改善されるケースもあるでしょう。

具体的には、上司からのパワハラや、馬の合わない同僚や部下からのストレスが原因で、眠りや不安が大きくなってきたときに、お薬と療養で1か月程度で回復される方もいらっしゃいます。

この場合、復帰の際に元職に戻れるかどうかは、主治医との相談の中で慎重に判断する必要があると考えられます。しかしながら、同じ「適応障害」であっても、本人の認知や思考の癖が大きい方で、職場職場で特定のストレス要因(人間関係)を作ってしまう方は、お薬と療養で症状が改善されても、次の職場でまた再発する危険も大きいかもしれません。

「休職」という期間とその後の生き方

「休職」は「神様が与えてくれた時間」だ、とおっしゃっていた方がいます。「自分に娘がいることに気が付いた」そうです。毎日朝早く出社して遅くまで仕事、土日もなく家族との時間も取れなかったのでしょう。また、あるひとは「周りを気にすることはやめました」「よい意味で諦めました」と、おっしゃっていました。

がむしゃらな働き方や、周りに配慮して自分を犠牲にする働き方が、いままで成果を上げてきてくれた場面もあったと思います。ただ、私たちは年齢と共に体力も変化します。家族ができれば環境も変化します。働き方(生き方)も変化が必要な場合もあるのだと思います。

私もあるときから、「休職」という期間は、その変化のための準備期間、あるいはスキル獲得機関と考えるようになりました。この期間でうまく変化できる方は、その後の職業人生だけでなく、人生そのものを「いきいきと」過ごすことができるのではないか、と。

復職支援の個別カウンセリングの役割

復職と療養だけでなく、自分の癖や傾向を見つめ、これからの生活にあった形にカスタマイズすること、それが私たちが担っている復職支援での本当の「カウンセリング」だと思っています。

投稿日:2020.07.02
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